『月刊ビジュアルスタイル』は、海を越えては取り扱われないのではないだろうか、という結論が見え始めてきました。 2008年の元旦でした。
新年朔日からオタショップ巡りも何かアレでしたが。 しかも油断していたら閉店時間が迫っているではアーリマセンカー。 三が日仕様でした。
せっかくなので『くじびきアンバランス』(小梅けいと)の②巻を買って帰りました。
さて。
写真の本は『鹿男あをによし』(万城目学)です。 『赤朽葉家の伝説』(桜庭一樹)などと並んで第137回直木賞の候補作でした。 結局どちらも受賞には至らなかったわけですが。
面白い作品でした。 発想、構想のスケールが凄い。 とても思いつけません。 そんな壮大な話なのに、細かな伏線もよく機能しています。 よくできた作品です。 かといって最後の締めまで特異なのかというと、そういうわけでもありません。 でも、常套だからこそ、これも良いんじゃないですかね。
主人公「おれ」の主観で綴られていく物語は、テンポよく進んでいきます。 時折見られる皮肉めいた表現も、カイギャクが利いていて小気味よいです。
また、奈良に行ってみたくなりました。 鹿だらけの、あの公園に。 ところかまわず糞をたれる鹿ですが、憎めないやつなんですよ。
ネタバレなしに面白さを伝えるのは難しいですね……。 追記形式にできたら、思う存分書けるんですが。
1月17日(木)の22時からドラマもスタートしますから、是非ご覧になってみてください。 玉木宏主演というのは、素晴らしい選択だと思います。 あの「のだめ」の時のようなキャラでやるのか、いや、大いに結構です。 今から楽しみです。
第137回直木賞候補作の全てを読破した某まなめさんは『赤朽葉家の伝説』をトップに持ってきていましたが、『鹿男』と『赤朽葉家』の二作しか読んでいないウチは『鹿男』は『赤朽葉家』に勝るとも劣らない、と思います。 いやぁ、うーん……甲乙つけがたいですねぇ。 桜庭ファンとして彼女寄りの評価をしている可能性も否定できないので、あるいは『鹿男』に一票を投じるべきかもわかりません。
なにはともあれ、元日から良いものを読ませていただきました。 万城目氏に感謝。